一人旅、この一枚

温泉神社の鳥居

温泉神社の鳥居

普段でもそうだけど、旅行中ともなると、やたらと写真を撮っている。
その中でコレと一枚選ぶとなると、上のやつだ。

そのこゝろは?

「地獄巡り」をするために、別府駅からバスに乗った。

終点のバス停を降りると、すぐに地獄の受付け窓口がみつかった。
目指すのはここなので、すぐに受付に行けばいい。
のだけど、そうはせずにしばらく歩いた。

人と一緒の旅行だったら「あった、あった、早く入ろう」となるだろう。

定番を外れあまのじゃくになれるのが、一人旅の良さだ。わたしはそのまま気まぐれに歩き出した。バス停付近からして人気が多かったわけではないのだが(みな大型観光バスでやってきて、まとめて地獄の中に消えるため)、ますますシンと静まりかえってくる。あれほどにぎにぎしかった看板も少くなる。

そうはいっても、立ち入り禁止と書いてあるわけでないのだから、日本国内、どこへ行くのも自由のはずだ… と思いつつも心細くなる一方。道は山の崖が迫って来ていて、「土砂崩れ注意」とも書いてある。そんな時、上方を見上げて目に入ったのが、鳥居だ。

随分と高い場所にあるものだが、扁額の文字は読み取れた。「温泉神社」と書いてある。旅行者用ではなく、地元の人がお参りする神社だと思われる。どんな思いで祀られているのだろう。どこへ行くのも自由ではあっても入ってはいけない場所があると、感じさせた。恐怖というか畏怖の念もわいてきた。

これもまた、一人で歩いていたからこそ味わえた感覚だ。人と一緒なら、鳥居に気付いても、気が大きくなっていることもあり、まず畏怖の念などわいてこない。

おそれと向かい合えること。日頃出会えないものと出会えること。
ああ、これが一人旅か!! と得心した瞬間を撮った一枚なのである。